◆ 一年@彩希

彩希の気持ちと後ろの本音

もう一年と振り返れば、
短かったような長かったような微妙な気分で
乗り越えたものと笑えた日々も今だけは凍り付いて心から離れない

一年前に感じた喪失の痛み
私の人生の原因で一番私を理解したあの子がこの世から消えた日
私に声を届けたあの日

悲痛な声、残酷な願い、残した面影
私は引き受けた
それからの日々も忘れたわけじゃない
あれがあったから今がある
一番良く分かってるはずなのに涙だけは止まらなくて

恨みの感情の行き先も今はもう無くて
溜まった物は募るばかりで
何でだろう？ずるいとさえ思ってる

何に？
誰に？

分からなくて苦しくて、言葉も喉を通さない
真っ暗な部屋の中言葉を出さず涙を流すのが精一杯

溢れてしまいそうで怖くて閉じ込める
自分でも向き合いたくない部分から目をそらす
そんなに強くない
そんなに出来てない
そんなに吹っ切れていない

どんなに笑っても貴方とは話せない
貴方はきっと笑ってる
笑って貴方に報告したいのにどんなに泣いても涙が枯れない
これは貴方の分もきっとある

だって命消える瞬間、貴方は沢山後悔してた
会いたい人も居て、ただ今も言いたくて
けどそれは一つのエゴで砕かれて
本心から笑えるなんて私、思ってないよ…
貴方から届いた声も全てを満足した声じゃなかった
自分で叶えたいと願う物を人に託す程に、貴方はまだこの世に想いを強く残してた

けど貴方はきっと皆が泣かないように笑う
きっと、きっと
私はそんな貴方を知ってるからきっと泣く

この日だけ、この日だけ

 

 

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彩希の方はまだ吹っ切れていません。
遥斗の方は人前には出さず言葉にもしません。
頼斗は受けてめて居ても墓の前に立つことが出来ません。

一年経っても傷はまだ大きいと感じました。

ちょうどあの子が死んで１年。
１年たったのに、ぐちゃぐちゃな部分は相変わらずです。
誰の心の中から風化しても私は忘れられないんだな、と実感しました。
返せてない手紙の返事も沢山あります。
佑貴の方は沢山返しましたが、一部返せず。
彩希の方は大半返せてません。言葉が見つからないんです。

ゲーム、そう括ってしまえば簡単でした。
それで終われないくらい彼女に思い入れはありました。
自分自身を反映した子だったので余計に。
沢山の優しさを素直に受け止める事も出来ませんでした。
そんな自分も嫌でやっぱり返せないお手紙が増えました。
優しい言葉の中で疑心暗鬼にもなりました。
言葉一つ一つが棘でした。
けどその棘もやっぱり救いでした。

振り返ることが彩希の存在と出会いを愚弄している事になると
分かってはいるのですがやっぱり納得するのとは違うようです。
出来る事なら彼も生かして欲しかった気もします。

やり場がどうも無くて焦るような。
それでも明日には普通に笑っているんだと思います。
この一日の為にきっと全てを溜めてたんだと思います。

他の方は何も気にせずこの日を過ごせてるといいな、と思います。
あの時泣いてくれた方には今は笑っていて欲しい。
できれば忘れておいて欲しい。

勝手な願いです。