日に日に戦いは近づいて。
――来て欲しかった、けど来て欲しくなかった
そんな矛盾。
たどり着くまでは血まみれ、数え切れない屍を踏み砕いていくんだろうな。
それでも私はそれを望む。
辿り着き、会う事を。
何故こんなにも心躍るのか、如何してこんなにも心が抉れそうなのか。
そして
彼に会ったら私はどんな顔をするのかな?
―きっと悪鬼のように醜いんだろうな。
彼に会ったらどんな言葉を口にするんだろう?
―きっと汚く酷い罵りしか出無いんだろうな。
けど何を思っても何を言っても結論は変わらない。
―そう、もう決めてしまったから。
血の色が赤くても緑でも何色でも。関係ないの。
誰が許しても私が殺してあげる。
ううん、「私達」が。
だから、ダイジョウブ。不本意だけど背負ってあげる。貴方の命。
墓の前で謝らせてなんてあげない。
直接謝れるように行きなさい、あの子達と同じ所に。
そしてその死の刹那に気づけばいい。
自分がどんなに思われてたか、そしてその人達に会えなくなるその気持ちを知ればいい。
けど…それは彼にとってきっと甘い罰。
だって彼は誰に許されなくても、自分が殺した二人には許されてしまうんだから。
きっとあの子達は…許してしまうんだろうな。そんな彼でも。
如何したって彼に制裁なんて与えられない。
一番の苦痛なんてもう無理なのもわかってる。
けど、理屈じゃない。
何も生まなくたって。
何も意味がなくったって。
私は行かなきゃいけない、でないと私は「自分」になれない。
大切な子の想いを受け取った。
けどそれは昔から私を縛ってきた呪いの延長線。
裏の存在としての私、不満はなかったけど元を無くしては裏などもう意味は無い。
だから、終わらせたい。
そしてその上でまだ生きるのなら自分自身として生きたい。
そんな願望すら未だ持ってる。矛盾だらけの私。
けどね。命尽きたって構わないの。
此処を越えなければそもそも「私」なんて居ないんだから。
嗚呼、愉しみ。